2020年05月09日

[名台詞集] 御先祖様万々歳!

【1話】

犬丸(そりゃわからんだろうさ。見ていたのは俺であって、あんたじゃない)
甲子国(従ってそれは、お前が自分自身で結論を出すべき問題。というわけだ)

犬丸「待ってちゃ駄目なんだ! こんなところでわかりきった愚劇を演じて、何かの訪れを待ち続けたって、香り高い物語は決して生まれやしない! このドアの向こうへ、僕自身が出ていかなければ……僕の物語は始まりやしないんだ!」

犬丸「俺はこの腐りきったホームドラマの脇役でなく、自分自身の物語の主役を演じたいと、そう言ってるんだよ」

多美子「可能性という言葉は無限定に使われるべきではありません。常識的かつ日常的すなわち現実的な範疇でこそ使われるべきであって、タイムマシンだのタイムトラベルだの、そういったSF的かつファンタスティックな設定を、現実的であるべき家庭内のドラマに持ち込むことは、この私が許しません!」

多美子「四方田の家に嫁いで20年、私は犬丸の母であり、あなたの妻でありながら、結局、四方田の人間にはなれなかった」

【2話】

甲子国「私だってね、何も好き好んでメシ・フロ・ネルの駄目亭主を演じたいわけじゃないんだ。一家の主として信頼し立ててくれる脇役たちさえいりゃあ、戦う家長としてこのホームドラマをしょって立つぐらいの実力はあるんだよ。本当の話が」

文明「国家は、己の内部に新たなる国家を欲しない。なぜなら、国家とはそれ自身にのみ根拠を持ち、唯一無二であることをその存在の絶対条件とするからだ。家とか家族とか、そういうものはただ国家の底辺を成し、その基盤を支えるためにのみ存続すべき集団に過ぎない!」

犬丸「そうさ……俺はこの日を待っていたのさ。彼女が現れたあの日から……。??的なホームドラマはもう終わりだ! 麿子との危険に満ちた逃亡生活、非日常の中で燃え上がる若い男と女の情念の世界! 俺の待ち望んでいたのはこれだったんだ! あんたの役割は終わったよ。脇役は消え去るのみさ」

犬丸「さよならは言わないよ。初めからさよならの予感に満ちた家だったんだもの」

【3話】

伴内「事態が混迷を極めたときには、事の本質に立ち返ることです」

伴内「非日常的飛躍、非現実的設定。しかしだからこそ、ご主人はそれを受け入れたのです」
多美子「だからどうして?」
伴内「なんとなれば、人間は時として、いや常に、虚構にこそ己を賭けようとする存在だからです!」

多美子「真実とか可能性とかそういった言葉は、ただ確固とした現実、積み上げられた事実の上でのみで語られるべきものです」
伴内「ただ事実だけを、その目で見、その手で触れることのできる現実のみを信じるとおっしゃる?」

伴内「現実とは、事実とは、人に伝えられる形となって初めて成立するものです。目撃された印象、レトリックやシンボルに満ちた言葉、そんなものを重ねてみたところで、そこに見出されるのは、人間という不確かな存在によって夢みられた、イメージに過ぎません」

犬丸「夫婦は他人でも、子は親を選べない」

文明「己の物語を演じつつ、しかし人はその物語の作者たることは決して許されない」

【5話】

多美子「たとえ招かれざる客であれ、他者は時にこれを受け入れなければ、その家族に未来はありません。ある日、息子に伴われた見知らぬ娘に“母”と呼ばれる。男の子を産んだ母親の宿命ですものね」

多美子「私にはようやくわかってきたわ……。現実的かつ常識的範疇をはるかに超えたストーリーの中で、親だの息子だの孫だのひ孫だの、好き勝手に呼び合って、家やら家族やらの危険極まりない観念を弄んだドラマが、どんな結末を迎えることになるか……。ここまで来たらこのいい加減な物語に最後までつき合うしかないわ……。“近未来からタイムマシンでやって来た孫娘”なんて、およそ信じがたい設定を願望のままに受け入れたあなたたちが負うべき……これが当然の報いなのよ」

文明「人生という舞台には、決して描かれることのない2つの場面がある。それは己自身の誕生と、死の瞬間だ。(……)自己の存在は、不確かな生と死の途上にあって、絶えず不安に晒され、そのドラマは完結を無限に遅延されている。それ故にこそ人は物語を追い求めるのだ。予感に満ちた発端と、感動の終幕を。始まりと終わりを。(……)人はただそれのみを求めて今日も物語につき合い続けるのだ。善意の聞き手として尊大な観客として(……)真に生きられるべき物語にあっては決してあり得ぬ発端と終幕こそ、人を魅了して止まぬ物語の本質なのだ」


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posted by 葛 at 21:34 | Comment(0) | 名台詞集
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